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Presents Vol.36

弊社代表 安田のメールマガジン アーカイブです。

折れない心

近頃、簡単に心が折れてしまう人があまりに多い。
残念ながら、そんなふうに感じています。

自分勝手な理由で犯罪に走る。
心の弱さから薬物に手を染める。
そもそも、政治の世界では二代も続けて首相が政権を放り出す有り様です。

ビジネスの現場でも、仕事への情熱を失った人が増えているように思います。
そこには、「どうせがんばっても報われない」「自分にはそもそも能力がない」「この仕事に価値などない」という、
“あきらめ”が横たわっていないでしょうか。

その根本には、評価の問題があるように思います。

人を評価する。その行為のモノサシが、あまりに単一化されているのです。
たとえば、仕事であれば数字というモノサシであり、教育であれば偏差値というモノサシです。
その尺度から外れてしまうものは、無価値に等しい。

当然、他人から評価されなければ自分自身への自己評価も低くなります。
その結果、あきらめに侵され、いつかポキリと心が折れてしまう。

本来、人を評価するモノサシはもっと豊かであるべきです。
職場を明るく盛り上げることも評価されていいし、クラスの友だちに鉛筆を貸すやさしさも評価されていい。
さまざまな事柄が評価の対象になっていい。
それが自己評価=自信につながり、折れない心を育ててくれるはずなのです。

しかし、現実はその真逆にあります。

多くの人にとって、いまは息苦しい世の中でしょう。
心が折れてしまうのは、そんな社会に問題があるからだ。
そう言いたくなる気持ちもわかります。

けれど、それでもなお折れてはいけない。
踏みとどまってほしい。
僕はそう思うのです。

かく言う僕も、心が折れてしまった経験があります。
若かった僕はそこから立ち直る事に、さして時間などかからないと思っていました。
しかし実際、一度折れてしまった心はそう簡単にもとには戻りませんでした。

「ここで折れたほうが楽だ」と思ってしまうほど、その時の苦痛は耐えがたいものです。
しかし今思うのは、そこで折れるよりもそこで踏ん張っていたほうが数十倍楽だったということです。

今以上に辛い事は、これからたくさん起こるでしょう。
しかし折れてはいけないのです。
今以上に辛いことがまだこの後に起こると思えればきっと踏ん張れる。
折れない価値がそこにはあると僕は思います。

たった一度きりの人生。だれもが精一杯、輝かせたいと願っているはずです。
しかし、あきらめてしまっては、その願いはけっして叶いません。
そして、人生に失望した姿は、自分だけでなく周囲の人たちも悲しませることになるのです。

「あきらめるな」という言葉は、職場でも学校でもあまり聞かれなくなりました。
「仕方がない」という、ものわかりのいい言葉ばかりが飛び交っています。
けれど、やっぱりあきらめてはいけないのです。
歯を食いしばってでも前を向く。
そんな生き方こそ美しいのだ。
いまこそ、その価値観をみんなで再共有するときではないでしょうか。

社会とは、個の集合体である以上、
ひとりひとりが変わることでしか変えられません。
どんなときも折れない心を持ち続けること。
僕自身もそれを自分への約束にしたいと思っています。