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Presents Vol.27

弊社代表 安田のメールマガジン アーカイブです。

心技体

[勝てないのは心が原因]

仕事、恋愛、家族、お金……。
人生には悩みや迷いがつきません。
所詮そういうものだと開き直る方法もひとつかもしれませんが、
やはりその存在を直視したとき、
もたらすデメリットはあまりに大きいのではないでしょうか。

なぜなら、悩みや迷いがあるとき、人は実力を100%発揮できないからです。

悩みや迷いが一切ない状態をイメージしてください。
心にわずかなためらいもなく、やると決めたことに全力で向かう。
そのとき勝率は確実に上がるはずです。
逆に、もし悩みや迷いを持って戦いにのぞめば、
たとえ実力で優っていても負けます。

2000年のシドニー五輪で
柔道100㎏級の井上康生氏は金メダルを獲りました。
しかし、2004年のアテネ五輪では4回戦敗退、
そして今回の北京五輪においては代表の切符を手にできず、
引退を表明しました。

その間の様子を観察していて、
彼が勝てなかった要因は“不安”や“迷い”ではなかったかと
僕は想像しています。
テレビ映像に映る彼の表情は、シドニーの頃とは違い、
自信に満ちあふれているとはとても言い難かった。

しかし、実力的には間違いなくナンバーワン。
金メダルをとれる逸材であったことは誰もが認めるところです。
それでもその実力が出し切れなかったのは、悩みや迷いがあったから。
つまり、それは心の問題だったのではないでしょうか。

動物の世界では出会った瞬間に戦わずして勝敗が決まるといいます。
これは人間の世界でも同じでしょう。
どんな思いを持ってそこに挑むか。
それによって勝者と敗者は自ずと決まってしまう。
たとえば、自分の親兄弟を殺されたとすれば、
どんなに非力な人間といえども死ぬ気で戦って勝利するはずです。

つまり、戦いとはほとんどの場合、
戦うべき理由の上回っているほうが勝つのです。
いわゆる「勝負は戦う前に決まる」とは、
真実を言い当てた言葉だと思います。


[人生のすべてに「心技体」がある]

武道とは「心技体」であるとよく言われます。

あの人は強いのになかなか勝てない。
周囲からそう言われ、いつも準優勝止まりの柔道家や剣道家とは、
結局、心が負けているのです。
いくら技や体で勝っていても、心が弱ければあと一歩が届きません。
ほんとうの勝利は
「心技体」の三つが鍛えられてはじめて手にできるものなのです。

これは何も武道に限った話ではありません。
僕は、「心」とは表層心理である「顕在意識」、
「体」とは深層心理である「潜在意識」、
「技」とは「磨くべきテクニックと知識」であると考えています。
そうであれば、じつは「心技体」とは
生きるすべての基本であるはずです。

恋愛も、勉強も、そしてもちろん仕事も然りです。
たとえば営業の際、「心技体」で放った言葉であれば、
相手に深く突き刺さります。
相手をほんとうに心の底から思い(心)、
営業マンとしてのふるまいをしっかり身につけ(体)、
適切な言葉を適切なタイミングで話す(技)。
上辺だけではなく、偽りのない自分となって話す。
そうすることで関係は一気に縮まるはずです。

そうやって「語る心技体」がある一方で、
「聞く心技体」もあります。
全身全霊で相手の言葉を受け止める。
放たれたタイミングや表情などあらゆる情報から真意を読み取ろうとする。
そうすることで見えてくるものが必ずあります。
人間は自分を理解してもらえたことが最大の喜びであり、
それには真意を汲んだコミュニケーションが絶対に必要です。
もしも、「心技体」で聞かず、
ただ言葉尻だけに反応していたのでは
間違いなく真意を聞き逃してしまうのです。

技や体を鍛えた、技術レベルの高い人は大勢います。
けれど、心にはなかなか目が向きません。
勝敗とは「心技体」が決する以上、分かれ目となるのは心なのです。
強く念じ続け、潜在意識にまで勝つイメージを刻みつける。
そうすることで迷いが消え去り、
真に強い自分へと変化していけるはずです。

体を鍛え、技を磨き、そして心で決して負けない。
成功を求めるならば、
何事にも「心技体」で立ち向かう。
その姿勢こそが重要なのではないでしょうか。