MEDIA SYSTEM

Presents Vol.21

弊社代表 安田のメールマガジン アーカイブです。

楽しいから笑う?

[笑顔の驚くべき効果]

人が笑うのは、もちろん楽しいときです。
この事実に誰も異論はないでしょう。
でもその固定観念をひっくり返すような実験を先日テレビで見ました。

それは20代前半の若い女性に、暗闇の中、
ひとりで悲しい映画を見せるという実験でした。
彼女の体にはセンサーが付けられていて、
そのときの精神状態がグラフの波形で現されます。

当然、映画のクライマックスに向けて、彼女の悲しみも深まります。
比例してどんどんグラフも落ち込み、やがて映画が終了。
すると、番組のスタッフはぼろぼろと泣いている彼女のそばにいき、
突然こんなお願いをしました。

番 組 のスタッフ :「すいません、笑ってもらえますか?」
20代前半の若い女性:「え?」

当然、彼女はそんな気持ちになれるはずがないと断ります。
それでもスタッフはお願いを続けます。
最後に、「じゃあ、笑顔だけでも作ってみてください」と懇願され、
彼女は渋々承知しました。

顔をひきつらせるようにしてムリヤリ笑顔を作ったとたん、
驚くことが起こりました。
それまでどん底にあったグラフが、急に上向きになっていったのです。

これは大きな衝撃でした。
楽しいから笑う。
当たり前のように思っていたその事実が、
「逆もまた真なり」だったわけです。

ふつう、悲しいときには悲しい顔をします。
いつまでも落ち込んでいてはダメだと分かっていても、
感情のままに生きてしまうのが人間です。
けれど、もし何らかの成功を目指しているのなら感情の制御が、
つまり自分自身へのマインドコントロールが必要です。

なぜなら、自分が落ち込んでいることで、
周囲にマイナスの影響を与えてしまうからです。
とくに経営者にとって、それは深刻な問題です。
経営者が暗い顔をしていれば、あっという間に会社中にそれが伝染し、
場合によっては経営さえ危うくします。
あるがままに生きることが有害であるなら、
自身をコントロールして有益な状態にするべきでしょう。

もちろん、悲しみのどん底にいて、気持ちを立て直すなど、
なかなかできることではありません。
でも、ムリヤリにでも顔の筋肉を動かして、笑顔を作る。
それだけで精神状態が変わる。
これは心強い事実であり、
悲しみを克服する大きなきっかけとなるのではないでしょうか。


[活気ある場を、笑顔が生み出す]

“笑えば楽しくなる”
この原理を有効に使うことで、仕事でも大きな成果が得られるはずです。

たとえば、お客さまがほとんど入っていないガラガラのホール。
当然、スタッフはつまらなそうな顔をして、ぼんやりと立っています。
人はホールでも、映画館でも、居酒屋でも、
活気のある場所に身を置きたいと思うものです。
だから、そんなスタッフを見たらますます近づきたくなくなります。
この悪循環を何とかして断ち切らなくてはなりません。

そこで活用するのが、笑えば楽しくなる、この原理なのです。

スタッフは、たとえ数人しかお客さまがいなくても、
まるで満員のホールであるかのごとく振る舞うのです。
こんなに閑古鳥が鳴いている状態なのに、
「どうしてそんなにがんばるの?」
と最初はお客さまに不思議に思われるかもしれません。
でも、続けるのです。そうすることで、
だんだんホールを応援する気持ちがお客さまに芽生えてきます。
やがて、ひとり増え、ふたり増え、いつしかホールはほんとうに満員になる。
僕はそう思っています。

たとえどん底でも、正面から自分と向き合う。
笑えば楽しくなると言い聞かせて、ほんとうに笑ってみせる。
それこそが、真の強さだと思います。
目指すべきものがあるなら、そんな自分と戦える強さを持つことです。
そして、すでに成果が得られたかのごとく、
にっこりと笑い、明るく元気に振る舞ってみせることです。

その行為を貫いたとき、
必ず大きな変化が生まれ、
欲するものを手にすることができる。
僕はそう思っています。