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Presents Vol.16

弊社代表 安田のメールマガジン アーカイブです。

考えること42、感じること58

[考えることばかり強制される社会]

仕事は楽しむものではない。
つらくて苦しいのが当たり前。
そんな暗黙の了解が、私たちの社会にはあるように思います。

> 僕がはじめて社会人になったとき、上司からは「おまえの好き嫌いで仕事をするな。
どうしたらもっと仕事の効率が上がるのか、それをよく考えろ」と言われました。
考えることばかりを強いられる日常には大きな違和感を覚えましたが、
上司の意見に従えば、確かに成果は上がっていきました。

> けれど、働いていて、ちっとも楽しくないのです。

> 楽しいとは、自分の感じる心を大切にすることから生まれます。
会社のマニュアルにはないけれど、
あのお客様にこんなサービスをしてあげたら、すごく喜んでもらえそうだ――。
実際、僕はそんなふうに思い、行動するタイプでした。
そうやってお客様に喜んでもらえれば、やっぱり自分もうれしいのです。
しかし、企業では普通それは許されません。

> 最大の成果を確実に、素早く手に入れる。
そのために最も適している方法は、軍隊式だといいます。
軍隊とは、生死を伴う集団です。
個々人が勝手な判断をすれば、統制が乱れ、死に直結します。
だからこそ、上官の命令には絶対服従。
兵士は指一本たりとも勝手な行動はできません。
つまり、個を完全に殺すのです。

> その軍隊式を、程度の差こそあれ、ほとんどの企業が用いることで、
安直に成果をあげようとしている。
それが今の企業の在り方だとしたら、
いったいそれは何の犠牲の上に成り立っている成果でしょうか。

> 人間らしい、感じる心を封じ込め、効率だけを考えるロボットになる。
そんな働き方を企業が社員に強制しているのであれば、
仕事が楽しくなるはずなどありません。
人はそこでは交換可能な部品です。
上手くいかなければ簡単に捨てられ、新しいモノに取り換えられる存在です。
だから誰もが交換されないために必死。
他人のことなど構っていられません。

> そうした世の中には、自分を他人より優先する“ミー・ファースト”が増えます。
隣に座る人間は仲間ではなく、常にライバル。
けれど、それではあまりにさみしすぎます。


> [感じる心をもう一度取り戻したい]

そもそも成果とは何でしょうか。
成果が利益であり、利益がお金でしかないのであれば、働く人の心は満たされません。
本来、利益とは、仕事に関わる人の幸せや心の豊かさも含む概念であるべきだと僕は思うのです。

> 経営者であれば、なぜ経営をしているのか。
社員であれば、なぜ仕事をしているのか。
利益=お金ではない視点から、もう一度、私たちは考えるときではないでしょうか。

> 僕にはいつも、こんなイメージがあります。

> 僕の3メートル後ろにはビデオカメラが回り、僕を主人公とした映画が撮られています。
一挙手一投足、口にするあらゆる言葉。そのすべてが映画です。
そしてその映画を、僕自身が映画館で観ているのです。

> どんなシナリオなら感動できるのか。
どんな主人公なら憧れとなれるのか。
いつもそんなことを意識して行動しています。
そして、つらいとき、苦しいときは映画館の観客である自分に問いかけます。
「このストーリーはこの後、どう進めるべきだろう? 主役の僕は何をするべきだろう?」
状況に対して客観的になることで、たくさんのことが見えてきます。
自分を見失わず、正しい選択ができるようになります。

> そして、自分の行動をもうひとりの自分が見つめる。
そんな映画のイメージを持って日常を生きると、仕事=お金ではない部分。
つまり、感じる心を大切にする自分に気づくことができます

> 最近、少しずつですが、
企業でも感じる心をもう一度取り戻そうという動きが現れてきたように思います。
「モチベーション」という言葉が注目され、そこに力を入れる会社が伸びている。
さらに優秀な人材も集まっている。そんな現象が起きています。

> モチベーションとは、
お金だけではない価値を社員に提供することがその根底にあります。
結果が同じでも、どんな心でそこに至ったのか。
そのプロセスをきちんと評価・理解してあげることが欠かせない要素です。
そうしてもらえることで人は喜びを感じ、次にもっとがんばろうと思えます。
感じる心を大切にする企業。
それが新しい時代のリーダーになっていくのではないでしょうか。

> 考える42、感じる58。考えることばかりをやめ、
感じることをほんの少し優先させてみませんか。
そうすることで日常に感謝の心も生まれます。
感謝する人間とは、感謝される人間。
仕事もよい方向に行くはずです。
もう一度、感じる心を取り戻しましょう。