MEDIA SYSTEM

Presents Vol.11

弊社代表 安田のメールマガジン アーカイブです。

成功に最も必要なもの

[周囲に褒め合う環境をつくる]

メディアシステムでは毎年、新卒採用を実施しています。
ありがたいことに数千人もの学生から応募をいただきますが、
いっしょに働けるのはわずか10名ほど。
ほとんどの学生とは一期一会の関係です。

しかし、せっかく志望いただいたのです。
御礼の意味も含め、何かを得てもらえたらと思い、
僕は説明会でこんな話をすることにしています。

それは、自信を持つことの大切さです。

成功に最も必要なものは自信。
つまり、自分を信じることだと僕は思っています。

就職活動の渦中にある学生にとって、目前の成功とはもちろん内定をもらうこと。
しかし、なかなか思い通りにはいかず、落ち込んでいる人が大半です。

このまま内定をもらえなかったらどうしよう。
就職浪人したらどうしよう。
不安だけが雪だるまのようにふくらみ、自信を失っている彼らに、
その大切さをどう伝えるか。
僕はまず自分の実体験から話をすることにしています。

父は、僕が4歳のときに早逝しました。
それ以来ずっと母が女手ひとつで僕を育ててくれたのですが、
彼女はことあるごとに僕を褒めてくれました。

ほんとうにささいなことでも、褒める。
普通は褒めないようなことでも、褒める。
僕は短気でしたが、「この子はどんなに怒ってもすぐにケロリとする。
それがこの子のいいところなのよ」といった調子です。
つまり、褒め上手なのです。

しかも、僕は決して褒められるような子どもではありませんでした。
おもちゃ屋の店先で大の字に寝ころび、買ってくれと泣き叫ぶ。
学校に上がれば悪さばかりして、挙げ句は警察に補導される始末です。
しかし、それでもなお母は一貫して僕を褒め続けました。

自分は褒められるような人間ではない。そう思っていた僕は、
母を嘘つきだと思い、だんだん嫌っていくようになりました。
けれど、大人になったあるとき、ふと気がついたのです。
自分には根拠のない自信がある。
そのお陰でたくさんの成果を挙げられてきたことに。

もちろん、その無根拠な自信とは、母からの贈り物でした。
彼女が知らず知らずに植え付けてくれた自信のおかげで、
僕は成果を挙げていたのです。
だから僕が達成した成果とは、自分の力ではなく、
半分以上は母の力によるものだと思っています。

褒めること。
その大切さを実感した僕は、会社でもまず褒め合おうと声をかけています。
それがいつしか自信を生んでくれる。
説明会に来た学生の皆さんにも、
まずそうした環境を自分の周りにつくる大切さをお話します。


[偽らない自分になって成果を挙げる]

僕は母から自信という贈り物をもらいました。

しかし、もともとそれがあるために、自信とは何か。
その意味を実感する機会がなかなかありませんでした。
僕が自信の意味をほんとうに理解したのは、30代の後半。
会社が明日倒産してもおかしくないという状況の中で、
自分自身を見失っていたときでした。

当時、経営が泥沼化し、こころの拠り所であった家庭でもケンカが絶えませんでした。
妻からは私生活でもダメ出しをされる。だから会社も上手くいかないのだとなじられる。
経営にも意見され、いつしか僕は妻の言いなりになっていました。
もちろん、彼女の批判はすべて僕を思う愛情から。
それがわかるだけに、なおさら反論はできませんでした。

そして母から与えられ、もともとたっぷりと持っていたはずの自信を、
僕はいつしかなくしていたのです。
何が正しいのか、物事がまるで判断ができない。
自分が自分ではないように感じられ、生きる気力もどんどん失われていきました。

しかし、その状態に流される一方で、
心の奥底にはそれを強く拒絶する自分もいました。
自分らしく生きたいと叫ぶ自分がいたのです。
だから最後に僕は踏みとどまり、妻にこう宣言したのです。
「これからは自分の思い通りにやる。自分の心の奥底にある想いに従って行動する。
そうでなければ、自分が自分でなくなる」

自分を信じるとは、これなんだ──僕はこのときハッキリと気づきました。

心の奥底にある叫び。
つまり自分のかけがえのない正しさを信じること。
たとえ世間の正しさと違っていようとも、裸の自分を信じ抜くこと。
それはつまり、自分をさらけ出して生きることに他なりません。

僕は裸の自分になってもう一度経営に取り組む決意をしました。
そして、そうやって成果を挙げていくことで、
再び自信を取り戻すことができたのです。

裸の自分とは、偽りのない自分です。
それをさらけ出して生きることは、並大抵ではない勇気がいります。
しかし、自信とは、
偽りのない自分で成果を挙げてこそ、はじめて積み上げられるもの。
偽った自分でどんなに成果を残しても、それは本当の自分ではない。
結局は自信につながらないのです。

メディアシステムにも偽りの自分を演じ、苦しんでいた社員がいました。
周りとのコミュニケーションが上手くとれず、いつもびくびくとしている。
自分にまるで自信がなく、仕事の成果も残せない。
僕は裸の自分をさらけ出せと何度も言いました。
その社員は苦しみ、その度に僕の前で泣きました。
自分をさらけ出すとは、それほどまでに大きな恐怖なのです。

しかし、1年半をかけ、その社員はやっと自分をさらけ出す決意をしてくれました。
そして、そこから周りの評価も、そして本人の顔つきもハッキリと変わっていくのがわかりました。

本当の自分をさらけだせないのはやましい気持ちがあり、
結局は自分を疑っていること。
それで自信をつける、ましてや成功するなど、到底できるはずもありません。

だから、どうぞ偽らず、正直な自分で就職活動にのぞんでください。
それが皆さんに自信を積み上げさせ、成功へと導いてくれるはずです。
そう話すと、学生の皆さんはどこかホッとした表情になり、
来たときよりも明るい顔で帰っていきます。

自信を持つ。
その大切さを、僕は自分の経験から痛感しています。
自信を持ちたいと望むなら、
まず偽りのない自分になること。
自分の心の奥底にある正しさを信じ抜くこと。
その勇気が必要ではないでしょうか。
それがいつか必ず成功をもたらしてくれると
僕は信じています。